シミュレーション

太陽光発電設備の発電量の計算方法は?【販売業者のシミュレーションは信じるな!】

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こんにちは、地方公務員のノリです。

前回、太陽光発電設備に最適な土地の条件について、まとめました。

太陽光発電事業に最適な土地の条件とは?【土地選びを失敗すると数百万の損をするかも!】\ブログランキング応援よろしくお願いします!/ こんにちは、地方公務員のノリです。 今日は、太陽光発電事業に最適な土地の条...

 

本日は、その土地でどれくらいの発電量が見込めるのか、年間売電収入がどれくらい得られるのか、業者のシミュレーションと実際の発電量の差について、僕の発電所の実績をまとめてみます。

 

本記事の内容

以下、詳しく説明します。

 

 

◆業者のシミュレーションとの差について

まず初めに、僕が購入した太陽光発電設備の業者シミュレーションと実績値を比較してみます。

 

業者シミュレーション

年間発電量:112,400kw 

年間売電収入:296万

 

実績

年間発電量:102,773kw

年間売電収入:266万円

なんと、1年間の売電収入額が、業者のシミュレーションと実績で30万円もの差がでました。

事前に自分でシミュレーションを行って購入はしましたが、もし、業者のシミュレーションだけを基準にして購入していたら、とんでもないことになってました。

自分でしっかりとしたシミュレーションを行い、正確な発電量を把握したうえで、購入しましょう

では、実際にどのようにして計算するのか、見ていきます。

 

◆太陽光発電設備の年間売電収入のシミュレーションの計算方法について

太陽光発電設備の年間売電収入のシミュレーションは、以下の計算式により求められます。

 

年間売電収入=設置場所の1日の日射量(kwh/㎡)×年間日数(365日)×損失係数×太陽光パネル容量×(1-過積載のピークカット率)×FIT売電単価×消費税率1.1

で求めることができます。

※この計算式は、周りに太陽光を遮るものが何もない、日当たりの良い場所であることが前提条件となります。

 

この計算式の項目で困惑しやすい、「日射量」「損失係数」「過積載のピークカット率」について、ひとつずつ説明します。

 

設置場所の1日の日射量の求め方

国立開発研究法人 新エネルギー産業技術総合開発機構がまとめている日射量データベース閲覧システムで調べることができます。

 

実際に確認してみましょう。

日射量データベース閲覧システムへアクセスします。

真ん中にある「年間月別日射量データベース」を選択します。

すると、日本地図が中心に表示され、グラフを表示する地点を選択する画面になります。

 

ここでは、シミュレーションを行いたい「太陽光発電設備がある地点」を選択しましょう。

今回は、仮に「城県のつくば市」を選択してみます。

エリアから「茨城県」を選択し、右の地点から「つくば」を選び、「表示」をクリックします。

すると下記の画面が現れます。

ここで左上の表示データ選択の枠の「角度指定」を選択します。

次に、すぐ下の角度指定データの表示種類で、太陽光発電設備のパネルの設置角度を選びます。

シミュレーションを行いたい太陽光発電設備の「パネルの設置角度」を入力しましょう。

今回はパネルの発電効率と土地の利用効率のバランスの良い「20度」ということで設定します。

 

次に、方位角を選択します。

真南が基準となるので真南が「0度」となります。

まず、一番右の「すべてOFF」を選択し、すべてのグラフを消します。

次に、シミュレーションを行いたい太陽光発電設備が「実際に設置されている方位」を選択します。

太陽光発電設備は真南を向いていることが理想ですので、今回は「0度」を選択してみます。

すると、青色の折れ線グラフが表示されました。これは、各月の日射量を示しています。

今回のシミュレーションに使う日射量は、「平均にある点が示す数値」となります。

 

設置場所の1日の日射量(kwh/㎡)

日射量データベース閲覧システム「平均にある点が示す数値」

 

カーソルをあわせると、数値が表示されますので、確認してください。

このケースであれば、「4.04となります。

この数値が、茨城県つくば市の1日の日射量となります。

この日射量については、3.6~4.2の範囲内で収まる数値となるはずです。

 

・損失係数の求め方

損失係数とは、パネルで発電した電力がケーブルを通っている時や、パワコンで変換される時、そして太陽光パネルが熱により発電効率が落ちた時などに発生する、損失を示す数値となります。

平均すると、約15%の損失があると言われております。

 

 

僕が計算する際はこの15%より少し多い17.5%とし、1-0.175=「0.825」を係数として使用するようにしています。(この損失係数については、一般的には0.85を使用している場合が多いですが、僕は少し厳しめに設定しています)

 

損失係数=0.825

 

過積載ピークカット率の求め方

過積載のピークカット率については、おおよそ以下の通りとなります。

 

パネルの過積載率:ピークカット率

120%~140% : 1.5%

140%~160% : 4%

160%~180% : 8%

180%~200% : 12%

200%~220% : 16%

 

過積載ピークカット率は、パネルの過積載率を調べる必要があります。

パネルの過積載率を求めるには、その発電所のパネルの容量と、パワコンの容量を確認し、下記の式にて計算できます。

パネルの過積載率=太陽光パネルの容量÷パワコン容量

 

パネル容量:90kw、パワコン容量:49.5kwの場合

パネルの過積載率=90÷49.5=1.81 つまり181%となります。

 

以上で、「日射量」「損失係数」「過積載のピークカット率」それぞれの項目の説明は終了となります。

これで、自分で年間売電収入のシミュレーションを行うことができます。

 

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◆業者シミュレーションと実績値に差が生じた原因は?

第1章でお伝えしましたが、実績値と業者シミュレーション値で約30万円の差がつきました。

ここまで大きな差がついた原因はなぜなのか?僕の推測では下記のとおりです。

 

実績と業者シミュレーションの差の原因

隣接する山林の影の影響を全く考えずにシミュレーションを行っていた

です。

 

冒頭でも触れましたが、実際に、僕が購入した太陽光発電設備の業者シミュレーションと実績値、さらに、僕が事前にしていたシミュレーションの数値を比較してみます。

 

条件は以下のとおりです。

売電単価24円 パネル容量105kw パワコン49.5kw 設置場所の日射量4.11 

 

業者シミュレーション

年間発電量:112,400kw 

年間売電収入:296万

 

実績

年間発電量:102,773kw

年間売電収入:266万円

 

僕のシミュレーション

(年間売電収入=4.11×365×0.825×105×(1-0.16)×24×1.1)×0.95

年間発電量:103,700kw

年間売電収入:273万

僕のシミュレーションの最後の0.95の係数については、隣接する土地に樹木があり、午前中にパネルの一部に影がかかってしまうため、5%程度、発電量が少なくなるという予測でこの係数を使用しておりました。

しかし、結果としては、僕の厳しめに行っているシミュレーション値をさらに下回る結果となりました。

昨年は特に雨天が多かったため、前年比で発電量が下がっている発電所がほとんどで、それが原因の一つではあると思いますが、実績値がさらに低いということで、山林の影の影響が5%以上あったのではないかと推測できます。

 

繰り返しますが、業者のシミュレーション値と実績値では、売電収入額で30万円ほど実績値が低くなっています

この30万円の差は非常に影響が大きく、この30万があれば、メンテナンス費用や保険代、パワコン電気代などの年間のランニングコストを全てまかなうことができてしまいます。

また、FITの20年間で考えた場合、600万円の差になります。

 

これだけ差がつくと、事業に影響が出てきます。

太陽光発電設備を購入する際は、業者が提示してくるシミュレーションは必ずしも正しいとは限らないということを意識して、物件を選ぶようにしてください。

 

ちなみに、第2章でお伝えしたシミュレーションの計算式は、太陽光を遮るものが何もない土地を前提としたシミュレーション式になっており、少し厳しめにシミュレーションできるようにしております。

僕のように山林が隣接して影がかかるような物件は選ばないようにして、日当たりの良い土地の物件であれば、先ほどの計算式でシミュレーションを行えば問題ないはずです。

その数値で事業計画を立てるようにしましょう。

 

まとめ

  • 年間売電収入=設置場所の1日の日射量(kwh/㎡)×年間日数(365日)×損失係数(0.825)×太陽光パネル容量×(1-過積載ピークカット率)×FIT売電単価×税率1.1 

 ※日射量はNEDO日射量データベースで確認できる

 

  • 販売業者のシミュレーションが必ずしも正しいとは限らないので、自分でシミュレーションを行い、事業計画を作成することが重要

以上、太陽光発電設備の発電量の計算方法は?についてでした。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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